分かり合うために必要なこと。

仕事では多摩方面へ向かう機会が増えること、

プライベートでは奥多摩を越えて小菅村(山梨県)に行く機会が増えること、

両親の様子を見に、月1回碓氷峠(群馬県と長野県の県境)を越えること、

車購入1年で17000Kmも走破したこと…

そして、本格的な野遊びシーズンが始まること、

 

※画像は雪中の碓氷峠めがね橋(碓氷第3橋梁)

安心安全への冬支度、

安心安全へのアップデート、

快適な冬暮らしへの設備投資としてスタッドレスタイヤを購入したこばやしです。

皆様、いかがお過ごしでしょうか?

★今回のブログは?
IQ30台後半の中度知的障害のご利用者様との関わりについてご紹介させて頂きます。

IQ30台?というと、重度知的障害では?と思われますが、生活能力が比較的高めであるため中度知的障害の区分判定となっています。

それはそうですよね、自身で入浴できますし、排泄介助も身体介助も必要なく自立されている。

このように、知的障害は知的機能検査だけで判断されるわけではなく、

知的機能(IQ)と適応能力(生活能力)の2つが評価されたうえで診断されます。
区分判定指標(参考)

 

意思の疎通がむずかしい…

ひらがなの読み・書きはある程度可能ではありますが、意味の理解までは難しいようで…

支援者側が理解に繋げようとして一生懸命になってしまうと…
情報過多になり顔を覆ってしまいます。

これでは合理的配慮ではありません。

そこで…
支援者側の情報発信は一語文・二語文程度と視覚情報を組み合わせるようにしています。

口頭伝達の例:
☞「こばやし てつだう!」
☞「いっしょに そうじ!」

視覚伝達の例:
☞そうじの絵カードを「指さし」
☞掃除機を「指さし」 

 

絵カードや視覚資料・指差し・ジェスチャー・モデリング・口頭伝達でどのように行動できるでしょうか?

資料提供には限界がありますし、口頭伝達には情報量の制限がありますので、初めからうまく行く事は少ないですが、繰り返しの練習(週2日、2週間)で以下画像のように行動できるようになりました。

 

ルール違反への意思疎通

共同生活内(社会)ではルールが存在します。

ルールを逸脱した際には、罰則が発生します。
ルールを犯した際の周囲への影響や罰則、
ルールを守るべき理由を踏まえて、本人様理解に繋がるように注意と説明が必要になります。

ここでも、言語情報が多くなれば本人様の理解には届かず悩まれてしまう結果、支援者側への労力ばかりが掛かってしまう結果になってしまいます。様々な方法を用いて、本人様の理解に届くよう取り組んでみました。

ルール違反事例:
全裸で廊下を歩いてしまう。

様々な方法を用いて説明を行ったものの、本人様の理解にはなかなか届きません。

どうしたら全裸で廊下や交流室を歩くことがダメと伝わるんだろう?

何気なくパソコンで「はだか ダメ 男性」と入力すると「裸の男性イラスト」が現れました!

これはどうかな?と、面談内でイラストと「はだか行動」のマッチングでお伝えすると「表情が激変」しました。

そうか!これだったのか!マッチングか!

 

「いいね!」「だめね!」の選択はシンプル。

「あくまで」全裸行動抑制としての材料にはなりますが、この「あくまでの範囲」で資料作成する事が極めて重要であると思います。

様々な資料を代わる代わる職員から見せられたところで、「ドラえもん資料はドラえもん」「ドラえもんが泣いている」にしか映らず、自分にマッチング(転換)が難しいからでしょう。

「いいね!だめね!」のマッチングは本人様の理解に届いたようで、1週間前に行われたサクレ支援会議内で同僚から提案を頂き開催となった「毎朝5分面談」の場面では?
「はだか ダメ!」「ようふく イイ!」
「はだか ※先生に ダメ!」
「できる! がんばる!」
※先生=主治医と支援連携

ルールの理解をを少しずつ深めているように感じています。

そして、支援者の意思が本人様に少しずつ届き始めていると手ごたえを感じています。

承認とモチベーション維持も大切

主治医からも頂いたご意見として、

不適切な行為が増えてしまうと支援者側からの指摘事項が増えてしまう。

指摘事項は口頭伝達等の即時強化などが中心となるが、これが彼にとっては悪循環の始まり。言い換えれば、口うるさい支援者へ悪態をつきたくなる、困らせたくなるでしょう。指摘事項が増える際には、同時に「承認場面」を設ける事でバランスの良い心身状態を維持しやすいと思います。

…先生、ごもっともで、
「こばやし」も、嫁にガミガミ言われると山籠もり(現実逃避)したくなります。

現在導入に向けて準備中ではありますが、「きょうできたこと」ボードを本人様と共に取り組んでゆきたいと思います。

今日できたことに承認・称賛をお伝えする!

バランスの良い心身の状態を維持できると良いなと考えています。

それに伴って、主体性も高まれば最高にいいなあと考えています。

 

ここでも画像の通り、取組後のマッチング(できたらえをはる)は上手にできています。

何より、ご利用者様がモチベーションを維持して笑顔で取り組む事ができるよう応援してゆきたいです。

今回の支援提供において、相談支援専門員様・移動支援員様・訪問看護職員様・日中活動事業所担当者様、主治医など、数多くの関係機関様と連携させて頂いたことで、様々なサポートを頂くことができました。

何より「こばやし」自身が強く体感したことは、多くの関係機関様にご理解とご協力を頂いた上で支援を進められる安心感・安堵感を感じながらチーム連携を進める事ができたと感じています。

そして、同僚であるサクレ67棟全従事者による行動観察、情報提供、支援提供によって、様々な気づきと学び、永続性のある支援の重要性を再認識することができました。


社会福祉法人SHIP

サクレ江戸川67棟
サービス管理責任者     こばやし
多摩方面へ勉強しに行く   こばやし
奥多摩は超えて遊びにゆく  こばやし
ガミガミ言われたら山籠る  こばやし

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