サクレからの卒業おめでとう!
サクレ江戸川6棟での生活訓練を経て卒業生を輩出する事ができました!
入居された当初から
「アパートで一人暮らしをすることが目標!」「一日も早くアパート生活出来るように頑張ります!」と話されていました。
サクレ江戸川6棟入居後の生活状況は…
日中活動先への通所率は50%程度…
起床から出発前の「気分」によって「今日は通所お休みします…」
通所が停滞する理由は「○〇君が…」「だって○〇さんが…」「昨日休んだ事を指摘されるから行きづらい…」と、「気分」や「感情」よって日中活動参加に大きな影響が生じていました。
そのようなサクレ生活を3年間過ごされておりました。
次第に本人様は「どうせ誰もアパート転居に協力してくれないじゃないか!」「もうサクレは嫌だ!」
そのような時期にこばやしがサクレ江戸川へ着任しました。
関係者様への聞き取り内容>
★ご身内様からは「一人暮らしなんて不安」「引きこもってしまうことが心配!」「社会と繋がっていてほしい」
★関係機関様からは「活動先への通所率が低いです!」「不安が生じた際の対処策は?」「実績が伴わないと…」
★サクレでの生活習慣からは「気分に流されやすい」「感情の波が大きい」「日中活動への影響が大きい」
上記の通り周囲の関係者様からは本人様の目標に対する「不安感」や「反対」の声が聞かれました。
本人様の目標達成に向けた関係者様からの要望(まとめ)
★ご身内様(お姉様)の要望:グループホーム(一人暮らし)に引きこもることなく社会と繋がっていて欲しい!
★医師の要望:安定した日中活動の参加と関係者と関わりを持ち続けること!具体的な実績・成果が必要!
★通所先の要望:通所率を高めよう!(当初週3回午前通所のみ、通所率50%程度)
★関係機関様の要望:通所率を高めよう!不安が生じた際には最適な相談先に相談して解消に向かう行動を図ろう!
★サクレから要望:不安(予期)との向き合い方を学ぼう・気分や感情に流されずやるべき事に取り組もう!
そこで…
目標(アパート一人暮らし)達成に向けて関係者の方々に「具体的な実績・成果を示そう!」
そして取り組みが開始されました。
上記のように関係者様が要望する内容を箇条書きにする事で「取り組むべき内容」や「示すべき実績・成果」が確認できました。
不安との向き合い方…
不安が発生した際の本人様行動は以下の通りでした>
1、あらゆる関係機関様へ「電話攻撃!」
2、あの人とこの人「言っていることが違う!」
3、違うことを言うあの人が「悪いんだ!」「嫌い!」
4、あの人のせいで「僕が混乱しているんだ!」
あれ?何だか「不安解消のための目的」がすり替わっていませんでしょうか?…
週1回の「談笑時間」はじめましょう!
月に1回モニタリング機会を設定させて頂いておりますが、生活上の課題や通所に関する課題・ご家族や関係機関様との関わりなど、
月1回のモニタリングまでに様々な予期不安が生じる事もあります。
そこで毎週1回(木曜日の15時~15時半)談笑時間を設けてみるところから始めました。
関係機関の方々は「役割」も「役職」も「所属」も全て違いませんか?
全ての関係機関様に不安を相談しても、「役割」「役職」「所属」も全て違うので、自分の主観でしか返答できませんよね。
違った回答が生じてしまうのは「当然の事」ではないでしょうか?
最適な相談先を特定し、端的に相談する事が必要ですよね!
談笑時間では上記のような「不安や悩み」に関する事や「お仕事に関すること」「サクレでの生活の事」「一人暮らしの目標設定」などざっくばらんに何でもお話しできる場面設定を整備しました。
※以下画像は本人様と共に作成した『もう迷わない!混乱しない!困った時の相談先一覧』です。
【困った際の相談先一覧を運用してからの本人様談】
・頭の中にある「不安」を1分1秒でも早く取り除きたくて…
・冷静に考えれば分かることなのに…
・室内出入口に貼り出すことで直ぐに気付く事ができた。
・携帯で写真にも撮ったので外出先でも確認できた。
・あれこれ悩まずに問題解決への時間が大きく減りました。
・そっか、自分で複雑にしていたのか…
困難時に備えて可視化することで安心感が生まれました。
困難時に備えて情報を統合することで迷う事が少なくなりました。
脳内の「合理的配慮」といったところでしょうか?…
通所率の向上と実績作り(気分本位から行動本位へ)
「気分」によって行動支障が生じる(多く確認できたケース)
・通所先への出発準備完了
・30分前には送迎車待機できている
・出発準備が遅い他の利用者様を見て「早く!」「遅いよ!」「もう嫌!」
・「今日は気分が悪いから休みます」
・居室で気分を落ち着けようとしても「気分が休まらない」
・休んでしまったから次回の通所時に職員さんに合わす顔が無い…
そこで、「きょうの行動日記」を一緒に始めました。
これは、本人様と職員との「交換日記形式」のものです。
「行動日記」なので、本人様は寝る前に当日に行動した内容だけ記入して1日の行動(活動)を振り返る(内省)ためのもの。
翌日職員がコメント欄に「行動承認」を記入してゆきます。
自己承認と他者承認、そうです森田療法の「日記療法」ですね。
日記を進めるうちに気が付いたこと
・モヤモヤ感によって通所をお休みしても気分が晴れることはない
・お休みしてしまう事で次回通所時に職員さんへ顔を合わせずらくなく
・作業場へ行くと作業に没頭できるので不安な事を考える暇がないから良い
・考える暇が少ないので仕事の達成感や充足感に繋がる
・通所回数が増えると給与も増える事が理解できた
・通所を応援してくれる人が増えた
・気分の悪さやモヤモヤ感があっても通所を続けることができた
・気が付けば6か月連続皆勤通所を達成することができた
外相整えば内相自ずから熟すとは、まさにこのことなのではと思いました。
☝森田療法の創始者、森田正馬先生のお言葉
満を持しての関係者会議、各関係機関の皆さまからアパート転宅への応援の言葉を頂く事が出来ました!
新天地での生活応援しています!
これから先も不安や悩み、多くの障害もある事と思います。
不安や悩み・問題や課題を一度整理して、最適な相談先に問題解消のための行動を主体的に起こして欲しいと思います。
サクレ江戸川6棟からの卒業おめでとうございます!
社会福祉法人SHIP
サクレ江戸川67棟
サービス管理責任者 こばやし
グループホームは訓練の場所 こばやし
グループホームは終の棲家ではない こばやし
あなたの目標を聞かせてください こばやし
サクレ6棟に空室見込み1部屋あり こばやし