🏃‍♂️信じたのは“できる”ではなく“やりたい” 支援の現場で起きた変化

「サクレ江戸川6・7」で、日々の暮らしの支援を行っているスタッフです。

このブログでは、利用者さんとの日々の中で感じたことや、小さな変化・チャレンジを、私たちの視点からお伝えしています。

今回は、「バイトをしてみたい!」という一歩を踏み出したAさんのエピソードをご紹介します。

💡 きっかけは、“働きたい”という希望から

A様は、「働きたい」という強い希望を持たれていました。

まだ日中活動(通所)も安定していない状態であったため、
「バイトなんてまだ無理ではないか」
「まずは生活リズムなど土台を整えることが先では?」
という周りからの慎重な声もありました。

しかし、本人の「やってみたい」という気持ちはとても強く、支援者が心配するよりも早く、

自分から一歩を踏み出そうと行動に移し始めました。

A様にはADHDの特性があり、「報酬遅延」と呼ばれる傾向が見られます。

これは、目の前の「今したいこと」や「すぐに得られる楽しさ」に気持ちが向きやすく、
未来のための行動が後回しになってしまう特性です。

それでもA様は、
「今年は決めたことをやる」
と力強く話されました。

その決意は、支援者である私たちの心にも強く響き、
「この人の“やりたい”を大切にしたい」
と心から思わせてくれた瞬間でした。

🔄 こんな変化がありました

いざ「バイトをする」と目標を立てたものの、現実はすぐには追いつきませんでした。

「面接?なんとかなるでしょ」

「履歴書?書かないでもいけるし、面倒」

「なんのために必要なの?だるい」

「朝起きる?なんで?」

と、A様は率直に気持ちを語りました。

これらの反応は、まさにADHDの特性が色濃く出ていた場面でした。

“やりたい気持ち”は確かにある。
でも、バイトに受かるための準備

たとえば履歴書を書くこと、面接に向けて時間を守る練習、生活リズムの安定といった

「働くための訓練」にまでは、なかなか意識が向かず、行動につながりにくいのです。

私たち支援者も、
「本当にやる気があるのかな…?」と戸惑ったり、もどかしく感じることもありました。

それでも、「この人ならできる」と信じて、
「なぜ履歴書が必要なのか」
「どうして時間を守ることが大切なのか」
といったことを、A様のペースに合わせて、対話を重ねながら一緒に考えていきました。

A様が「やりたい」と思っているバイトが、どんな流れで実現していくのか
その全体像を一緒に見える化しながら、今やることが“やりたい”という気持ちにつながっていることを少しずつ体感できるように支援を重ねました。

報酬遅延の特性があるA様にとっては、「今の行動」と「未来の目標」が切り離されてしまいやすいことがあります。
だからこそ、「やりたい」という気持ちの熱を失わせないように、

目の前の行動を“バイトという目標への一歩”として意味づけていく支援がとても大切だったのです。

履歴書を書いている人のイラスト(男性) | かわいいフリー素材 ...

🌈 その先に見えたもの

そんな日々の中でも、A様は決してめげずに挑戦を続けていました。

面接で失敗したり、時間を守れなかったり、空回りすることもありましたが、
「俺は頑張る」という言葉が自然と出るようになり、
“やるべきこと”への意識にも少しずつ変化が見られるようになってきました。

自分で目標を立てたり、
「次はこうしてみよう」と前向きに考える姿も増えていきました。

ADHDの特性によって、“今”と“未来”をつなぐことが苦手であること。
それを前提に支援することで、本人が経験を通して「納得して動ける自分」に近づいていく姿を、

私たちは日々見守らせてもらっています。

🔍一歩の重みが教えてくれたこと

A様の挑戦は、ただの「バイトに応募する」という行動ではありませんでした。

「できるかどうか」ではなく、
「やりたい」という気持ちを大切にすること。

そして、障害特性を理解しながら一緒に進んでいくこと。

それが、“その人らしい成長”へとつながっていく
そんな可能性を、A様は私たちに見せてくれました。

この仕事に正解はありません。
でも、目の前の“やりたい”に寄り添い、一緒に悩み、一緒に笑えること。
そこにこそ、福祉の仕事のやりがいがあるのだと、あらためて感じさせられたのです。

そしてこの経験は、他の利用者様への支援にも活かされています。

「やってみたい」という小さな声を拾い、
その一歩に寄り添い続ける
そんな支援を、これからも大切にしていきたいと思っています。

いろいろな陰ながらアイドルを応援する人のイラスト(女性) | かわいいフリー素材集 いらすとや

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「一歩を踏み出すのが不安」

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