できる部分を増やす
皆様こんにちは。サクレ江戸川2棟で世話人をしている相場です。
今日は、私たち支援者が日々利用者様のできる部分を増やすために、どのような支援をしているかを 紹介したいと思います。
病名 ADHD 20代 男性
皆さんはADHDと聞いてどういうイメージをお持ちでしょうか?
ADHDの特性をお持ちの方は、抑制制御の特性(不注意)・報酬遅延の特性(多動衝動性)・時間処理の特性があり、これらの特性により、タスク・タイム・対人と大人の社会生活で3つのTが困難であるとされています。
今回紹介する利用者様も。時間の概念が難しく、優先順位をつけるのが苦手、興味のある方へ意識が引っ張られてしまう、と言った特性がありました。 ADHDは脳の特性であり、それを訓練で出来るようにと言うのは難しのかな?とはいえ、出来る部分を増やし、利用者様にもできる自信をもって欲しいと思い、支援を始動しました。
今回は、利用者様の長所(強み)を生かしながら、できる部分が増えた取り組みについてご紹介したいと思います。
利用者様の長所(強み)
ポジティブ・素直・自立したいと思っている・やる気がある・変化を嫌がらない・挑戦心がある利用者様の長所を知ることにより、利用者様のこうしたい、こうなりたいの気持ちを引き出すことが出来、 同じ目標に向かって取り組めたので、利用者様の長所を知るって本当に大切だと実感しました。
でもいざ実行しようとすると忘れてしまったり、行動できていなかったりが続き、その度面談し話合い、次回はこうしてみようと決め、また出来ない時は面談し次回はこうしてみようを繰り返してました。
私自身ADHDの方の支援が初めてだったので、先ずは特性をちゃんと理解しようと研修に参加し、 困り感の把握、困難な理由が理解出来ました。 理由がわかれば、あとはそれをどう補うかを考えるだけでした。
① 初めに取り掛かったのはスケジュール管理。 いつ何をするか、1日のスケジュールを具体的に掲示する事により
見通しを立てやすくする支援として、スケジュール表を作りました。
とは言え、スケジュールを貼るだけでは、なかなか注目もいかず動けないので、スケジュール通りの 時間に支援者が声がけをし、スケジュールを見ながら1日の動きを一緒に確認しを繰り返し 数カ月… 1日の動き1週間の動きを自身で把握できるようになってきました。 次にその日その日の時間への意識が課題になってきました。1日のスケジュールの時間への意識に関しては、利用者様のスマホのアラームを活用して頂く形にしましたが、なかなか行動には結び付きませんでした。
② 時間を意識した行動ができるように
利用者様の居室に時計がなかった事もあり、居室に大きな壁掛け時計を購入し、ご自身で一番目に付くところに配置する事にしました。
大きな壁掛け時計を、利用者様が一番注目するところに配置したことにより、今までは時間を意識した生活が難しかった方が、時計を見る習慣が付いてきました。
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③ 時計を見る習慣が付いてきたので、スケジュールと時計を紐づけ
今度は事前準備ができるように、壁掛け時計の事前準備して欲しい時間に事前準備イラストを貼りました。
イラストを貼った事により、スケジュール表記載の時間に即行動や作業に取り掛かかる回数が増えました。一度取り掛かると最後まで行うことが出来る方なので、きっかけを作る事ができ、出来なかったことが出来るようになりました。
今後も利用者様の意向を達成するために、特性を理解し、それについて必要な支援を実行することで、できることがたくさん増えるようにしていきたいと考えております。