サクレ江戸川2の特色 ①面接室

こんにちわ。世話人の山村です。

暑いですね。私が普段通勤に使っている通りには町工場がたくさんあります。毎朝、その道を通ると工場で働いていた時のことを思い出します。青々と茂った山の中で、フォークリフトの運転席から足を投げ出しながら、文庫本を読んでいたときのことを思い出します。休憩が終わるとまた汗だくの仕事が始まります。当時を振り返ると、自然と共生しては営んで、家に帰れば泥のように寝ていくというようないかにも自然な生活をしていたなと思います。

息苦しい昨今ですが、いろんなものにまみれながら汗水たらして働いてみるのはいいかもしれません。特にそれが山の中なら人目を気にしてマスクをする必要もないですからね。

1. サクレ江戸川2の特色

さて、今期はまずサクレ江戸川2の特色みたいなものを書いていこうかなと思います。

サクレ江戸川2はカウンセリング・心理療法に特化したユニットです。

 

  1. 面接室(サクレではセラピールームと呼ばれています。)
  2. カウンセリング
  3. 個人心理療法
  4. 集団心理療法

 

サクレ江戸川2のカウンセリング・心理療法は以上の4つを柱に構成されています。

他にもいろんなものが構成要素ではありますが、そこまで考えるのは私の個人的な仕事(クライエントと一緒に考える場合もある)ですから、このブログを読んでくださる皆様には上記の4つについてご紹介します。

もちろんグループホームなので生活支援もしています。生活支援について気になる方は下のリンクへどうぞ。

グループホームの利用で自立度・社会参加度は向上する?

 

リーフレットも参考までに

 

 

それでは今回はサクレ江戸川2の面接室について紹介していきます。

 

2. 面接室

鉄筋コンクリート、5階建ての頑丈な建物の2Fに面接室があります。

私はクライエントを迎えるときに面接室を使います。

だいたいクライエントが面接室に来る20分前とかに面接室をチェックします。

「散らかっていないか」「イスと机はいつもの場所においてあるか」「室温はどうか」「前に面接室を使ったひとのちり紙がゴミ箱の中に残っていないか」など。

 

 

こういう仕事をしていると悩んでいることを教えてくれるひとに出会います。

わざわざ傷ついた経験や恥ずかしい思いを誰かに話したいひとって少ないんじゃないですかね。

 

 

でも、自分の症状や悩みをなんとかしたいってひとは辛いことをあえて教えてくれることがあります。

 

もうその時点でとても真面目に自分に向き合ってるんですから、そういう姿を目の当たりにするとこちらは簡単にアドバイスするわけにもいかなくなります。真面目なひとはアドバイスを全部受け取ってアドバイス通りにやってみようとするかもしれません。

 

それはこちらとしては恐れ多いわけです。なぜなら私はひとに「絶対にこれが正解!」ってものをアドバイスできるほどにできた人間ではないですから。失敗だらけです。それでも生きている、という感じ。なのでせめて「対岸ではなく、同じ岸からこのひとの見ている世界を見れるように努めみよっかな。あぁこういう気持ちなのかな。」ということを心の中でやってみます。

 

こうなるとなにが起きるか。私は「抱えている問題について真剣に考える本人の姿」を目の当たりにすることになるわけです。だから私は関係機関や家族からの情報より、目の前に存在する本人(当事者)の存在自体をリスペクトします。

 

(関係機関の情報も参考にはします。)

 

そんなわけで、まず私がカウンセラーとしてできることをやろうとするわけです。それは皆さんと話をする場所を綺麗で安全にしておくことです。それは確実に私にできることです。生活支援員さんがすごく掃除してくれるのでソファーの位置を微調整するだけの日もありますが、絶対に何らかの調整はしています。ソファーの位置とか。

 

「そんなことして意味あんの?他にやるべきことあるでしょ。」

という考え方もあると思いますが、私なりにこの作業を大事にしている理由があるので以下に書いてみます。

 

面接室は「間」です。初めて出会う空間です。

 

 

妙木(2010)はこう書いています。

「悩みというのは、心の中と外、人の中と外の「間」にあることが圧倒的に多いのです。内と外、人と人の間というのは、ひとつの場をつくっています。ですから出会いの場をどのような形で設定するか、そのことに心を配っていくことが心理療法の専門家の仕事です。これは人と人との間で、ある関係を作る仕事人にとって、基本的な視点です。」

 

要するにどういうことか。私は自分なりにこう解釈します。

「悩みってのは単純じゃない。だいたい人間関係ってのは難しいもので悩みはそういうところから発生することが多い。土足でひとの心を踏みにじるひとや、こっちの心なんて無視してくるひともいる。色々、苦労してきて面倒もあったろうにご丁寧にアポイントをとってわざわざサクレ江戸川に来てくれるなら、短い時間でも楽しく気持ちよく過ごしてほしい。」

という感じに。

自分の部屋はともかくとして、部屋の乱れは心の乱れとも言いますし。

 

 

次に人間関係と悩みのことをもっと深く考えてみます。

人間が最初の人間関係を体験するのは赤ちゃんのときです。

(もっとさかのぼれますが、マニアックになってくるのでここでは書かないでおきます。)

 

赤ちゃんはすごいですよ。人間の赤ちゃんは生まれてすぐにはひとりでは生きていけません(パンダの赤ちゃんも)。人間は生きるためにはひとと絆を結ばなければいけないので、赤ちゃんの頃からとても高度なコミュニケーションをとります。

そんな赤ちゃんの心の中の世界についても見てみます。

 

赤ちゃんは「人間関係」のことを全身で考えている

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D. スターンっていうひとは母子を対象にした研究(実際の観察等)を通して赤ちゃんの世界観を解明しました。

D. スターン(1989)いわく、赤ちゃんは生後2~6か月くらいには「自分と母親はどうやら一心同体ではないのかも」と気づきます。それを「自分と他の存在との区別とか境界線に気づく」と言ってもいいと思います。

そうこうしているうちに(生後7~9ヶ月くらい)、「自分と母親って別の存在なのかな」と気づき始めます。なんでもかんでもお母さんと以心伝心できるわけではないという経験も繰り返しますから。心理的にも物理的にも近づいたり、離れたりを繰り返して気づきます。「やっぱりお母さんにも別の考えがある。別の行動もするんだ。」と。

 

自分と他人に「間」があるからこそ近づいたり離れたりできることを知ります。犬猫などの動物は大きくなっても匂いを嗅ぎ合ったり、なめ合ったりします。私たちは幼稚園生になる前にはそれをだめだと教えらている場合が多いんじゃないでしょうか。なので人間は少し特殊ですね。あまりくっついていられない代わりに言葉を使うことは許されます。

 

言葉は便利です。でも触れ合いの時期(2歳くらいまで)に思い出深い体験があった場合、「大きくなった今でも同じことがおきるかどうか」言葉とイメージを使って試すことができます。それが傷ついた体験であっても。

 

「これをすると好きになってもらえる」「これをすると嫌われる」。

記憶もないくらい小さいころに手探りで作った土台が不安定だったらこわいですから、何度も試して確かめるのは当然とも言えます。とても大事なことです。

 

お母さんの表情から世界を知る | A Guardian Angel

初めての場所なら、安全かどうか試したくなるのは当然の心理かと思います。

初めてのグループホーム、安全かどうか確かめたいのも当然でしょう。

 

せっかく試して確かめるなら安全な場所がいいと思いますから

「散らかっていないか」「イスと机はいつもの場所においてあるか」「室温はどうか」「前に面接室を使ったひとのちり紙がゴミ箱の中に残っていないか」

 

そういうことを確認して皆さんを待っています。

 

サクレ江戸川2ではそういう空間を準備していますし、それがこころの中に安心と安全の場所をつくるきっかけになるかもしれません。ならないかもしれませんけど、それもまた仕方ないことです。

今回のブログの最初の方でサクレ江戸川2を「カウンセリングと心理療法に特化」と評しましたが実際はカウンセリングや心理療法よりももっと大切なことがありますので、そういうことについて今回は記しました。ですからこれからもなるべく面接室は安全にしておこうと思っています。

 

 

3. まとめ

今回はサクレ江戸川2の面接室について紹介しました。面接室の見た目は写真の通りの感じです。実際に見ると違う印象を受けるかもしれませんが、グループホームの利用を検討中、尚且つ自分にはカウンセリングや心理療法が合っているかもしれないと思っているかた、周囲の支援者の方々どうぞお気軽にご連絡ください。

 

次回はサクレ江戸川2で行っているカウンセリングについて書こうと思います。

暑い日が続いてますが、皆様体調を崩されませんように。

 

 

引用文献

妙木浩之(2010). 初回面接入門-心理力動フォーミュレーション. 東京: 岩崎学術出版社.

D. N. スターン(1989). 乳児の対人世界ー理論編. 小此木啓吾・丸太俊彦(監訳)神庭靖子・神庭重信(訳). 東京: 岩崎学術出版社.

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